いい感じのイメージアクセを作るアイディア集!

 ご無沙汰しております。絹田屋です。
 更新から随分時間がたって、とうとう年末です。早いですね!
 8月は夏コミに出て、総集編を作って、文フリでも新刊を出して、その次は冬コミ! というところです。
 ハロウィンでイメージアクセサリーをダサく作らない方法でも書こうとしたんですが、
 仕事で死んでしまっていたので、今回似た内容を書こうと思います(笑)

 題して!

 いい感じのイメージアクセサリーを作るときのアイディア集!
 です。大きく出てみました。

 今回はエンボリッチ・フラクタのイメージアクセサリーを例に上げてみようと思います!
 アクセサリーはこちら!
イメージアクセ

 以下のシーンをもとに作成したものです。
イメージアクセの場面

 ざっくりまとめると
《星空色した未知の植物が、無色透明の種子を葉の裏にびっしりとつけ、それを辺りに撒き散らす》
 というところです。一文で書くとちょっと気持ち悪さがあるところですね。

 インプットである情景とアウトプットであるアクセサリーを認識してもらった上で、次の切り口で語ろうと思います。
 ・アクセサリーにするシーンを決定するためのアイディア
 ・どんな形にするかを決定するためのアイディア
 ・色と形に囚われないためのアイディア

 ややこしい話は特にないのでサクッと語っていきまーす!

シーンやキャラクターを決定するためのアイディア

 イメージアクセサリーを作成したい! と思うとき、大抵の場合は「ここのシーンのを作る!」という強い意志がある場合がほとんどなのですが
「ここもいいし、ここのも作りたいし、……」と絞り込めないときもあれば
「この作品を代表するものを作ってみたい!」「このキャラクターの特徴を詰め込みたい!」と対象が大きすぎるときもあります。
 そんなときは、作品にシーンやキャラクターに対し、一番自分が滾るかを読み返します。

<Aという前フリがあってBになった>という展開でも良いですし、
<このキャラのこういうセリフが出てくる性格がたまらない>という性質に対するものでもいいです。

 とにかく「好き!!!!」と思えるところを書き出してみましょう。ページ数でもいいし、何話の何行目(何コマ目)という単位でもいいです。
 ある程度出せたら、1~3くらいのシーンや特徴・性質まで絞り、絞り込んだ項目の全体を見渡して、それが一体どういうものなのかを一文でまとめます。

 今回、私の場合は「一話ごとに一つのイメージアクセサリーをつくる」と決めた上で、
「一番好きなシーン・気に入っているシーン・大事にしたいシーン」を抽出しました。
 このシーンにすると決めたポイントは

<主人公の「僕」が、今いる世界に対する恐怖をじわじわと感じているシーンだから> でした。

 もう少し詳しく言うと、
《未知なる存在に対する恐怖と違和感、不自然さ、しかしその世界では成り立っているごく自然な規則性との対比》
 という言い方になります。くどい(笑)

 ストーリーとして、主人公の「僕」が初めて世界に対して疑問→違和感→恐怖のステップを踏んでいったシーンであり、
 話運びの承から転へのグラデーションになるところでもあります。

どんな形にするかを決定するためのアイディア

 例えば。
 魔女っ子で、黒猫が相棒で、ほうきにのって空を飛んで、星をまくのがお仕事で、衣装は紫の女の子!
 というキャラが居たときに、
「空枠に星のスパンコールを敷き詰めてレジンで固めて、紫のバラや黒猫のチャームをゴテッと載せ、ほうきのチャームを更に載せて……」
 とか
 したくなりませんか?  なりますよね? いやなるんですよ(三段活用)

 自分用に(特に用途を考えずに)作るのであれば、それでもいいのかもしれません。
 しかし、今挙げた例で作った場合に出来上がる大きさだと、バックチャームやキーホルダーがいいところです。
 (たぶん、とても子供っぽくなってしまい、多くの人に使ってもらえるものにもならないデザインになってしまうと思います。
 なので、形にしたいイメージを成り立たせる要素のうち、これまた3つくらいに絞り込もうと思います。

 さっき抽出したいと思ったシーンはこちら
☆情景
 └《星空色した未知の植物が、無色透明の種子を葉の裏にびっしりとつけ、それを辺りに撒き散らす》
☆心情と描写の狙い
 └《未知なる存在に対する恐怖と違和感、不自然さ、しかしその世界では成り立っているごく自然な規則性との対比》
 
 要素を書き出します!
 ◆情景ポイント
  ・星空色の葉
  ・金色の葉
  ・無力透明の種子
   └幾何学的に並ぶ
   └散らされる→動きがある → きらめいている
 ◆心情ポイント
  ・違和感
  ・不自然さ

 このままスルッと考えたら、無色透明なビーズを繋げてブレスレット! っていうパターンかもしれない。(それはそれで重ね付けしたら可愛いかも)
 葉と種子をそのままの形にして仕立てると、めっちゃ植物~!! って感じがしてダサい可能性高いし安直すぎます。
 そんなときは、優先度をつけてどれをメインに据えるかを考えます。

 星空色の葉 > 金色の葉 > 無色透明の種子

 要は、この大きさの順にまとまれば良いわけです。
 植物は〈同じもの〉がいくつも生えているイメージがあるので、モチーフを一つ作って規則正しく並べようと思いました。
 規則正しく並べるということは、実際作った時に長さが出ます。なので今回はブレスレットかネックレスが望ましい、と決めました。 
 絹田屋なりに考える形の決定打は、モチーフが成立し、作品が成立する構造に最も近い構造を持つアクセサリーは何か、を考える時かも知れません。

 一個で完結するもの:ブローチ、ペンダントトップ、リングなど
 二個で完結するもの:イヤリング、ピアスなど
 パターンを持つもの:ネックレス、ブレスレット、アンクレットなど

色と形に囚われないためのアイディア

さて、抽出した情景でブレスレットかネックレスを作る! と決めたので、いよいよどんなデザインにするか頭を悩ませていきたいと思います。
 
 ブツとしては、 
 星空色の葉 > 金色の葉 > 無色透明の種子
 になるようにします。

 これは自論なのですが、「意味を持つ形」を複数使うのはやめたほうがいいです。
 ここでいう「意味を持つ形」は、「十字架」「つばさ」「鍵」「ハート」などです。チャームになりがち。
 今回、「意味のある形」に当たるのは葉ですかね。同じものであれば二種類あってもまとまりやすいのでバランスが取れるかもしれませんが、植物ー!! って感じには今回したくないので、一種類だけにしようと思います。

 で、星空色の葉をパーツで探すより、金色の葉を探すほうが遥かに楽です(笑)作ってもいいんですけどね!
 心情ポイントで上げた「違和感」「不自然さ」を表すために、金色の葉とは逆に、基礎金属の色をシルバーにすると決めます。
 そうすると、無色透明な種子にも馴染むデザインになります。種子のイメージは、無機質な光の反射があるものなので、ラインストーンの類にすると決めます。
 では次に、星空色をどう表現するかを考えます。

 実は私の推し石がありまして……紫金石って言うんですけど……!!
イメージアクセ
 めっちゃきれいなんですよ。紺碧の晴空を埋め尽くすようなキラキラはガラスです。これ人工石なんですよ!
 天然のものではない、けれど自然のものにも見える石で、星空色……!
 球体以外の形でも良かったのですが、全く違う形なのに「これは葉だ」と言われたときに感じるぞわっとした感覚を持つとしたら、最も形が違くて原初のものであれば良いかなと考え、一周考えて球体の紫金石を使うことにしました。
 色と形に囚われないためのアイディアとして自分がもっている案はこんな感じです。
 
 色を変える:なにかの条件を加えたらその色になるという変換、混ぜる前の色を独立させるなど
 形を変える:線の数を減らしていって単純化したときの形、あるいはその対極にある形など

 曲線的なパーツがシダの葉の先になぞらえられたら面白いかな、ということで、種子であるラインストーンを等間隔につけて完成!

イメージアクセ

 (石が余ったのでイヤリングも作ってみました。)

まとめ

イメージアクセサリーを作る時に考える、絹田屋なりの方法をご紹介いたしました。
 ・アクセサリーにするシーンを決定するためのアイディア
  └ とにかく好き! エモい! ここ大事! と思うところを書き出す
 ・どんな形にするかを決定するためのアイディア
  └ 要素を三個決める
  └ 優先順位を決める
 ・色と形に囚われないためのアイディア
  └ 色を分解してみる
  └ 形をデフォルメ・単純化してみる

などなど。なにかのヒントになれば嬉しいです!

明日の冬コミで実物を持っていきますので、ぜひぜひ見にいらしてください!