どうして青色に惹かれてしまうのか

こんにちは! 絹田屋です。

青色のアイテム、お気に入りのものがある人も多いのではないでしょうか。

ハンドメイド作品や海の画像、空の画像、花の画像なんかを見ていても「綺麗だなー」と思うことが多々あります。
この「綺麗だなー」とおもう理由を探ってみました。

青色にまつわる歴史

西洋東洋問わず、青は日常とは違う別世界と捉えられる傾向があります。高貴さからくるものではなく、どちらかといえば、忌避される色でした。
「青色」と一口に言っても様々な青がありますが、古来はそれらを区別する単語がありませんでした。青色を作り出すには技術的手法が必要だったのも起因する一つでしょう。 そのため、しばしば暗い色=青色と扱われている時期もあったようです。
中国(道教)では死を象徴する色とされ、あの世とこの世をつなぐとされているる中国豊都鬼城の門は青色に染められており、手で触れると死期が近づくと言われていたりもしました。
インドのシヴァ神においても身体の色が青で描かれたりします。バビロンのイシュタル門も青色です。青は異世界への入り口や日常には居ないものの象徴であったことは各地で見られます。

青色の、「死」「忌み色」を払拭したのは12世紀ヨーロッパが始まりです。
この頃から青色は染料などを工夫して表現されてきました。ラピスラズリや藍銅鉱(アズライト)を加工したり、植物の藍から抽出したりしています。
聖母マリア像の絵画が喪に服した色=暗い青で描かれていたのが、鮮やかな青に変化していったことで、最も美しい色よばれるまでに変化しました。

宗教的背景もあり、その影響は強かったのでしょう。異世界の色、という印象はそのままに、どこか高貴さのある「救いの色」となり、「癒やしの色」となっていったと分析できます。

青色の効果や働き

先程、「救いの色」から「癒やしの色」と変化したのは宗教的背景と書きましたが、身体的にはどうなのでしょうか。
リラックス効果や鎮静効果があると謳われているのはなぜなのか、ちょっと調べてみました。

色彩心理学で「青色は人の精神状態を落ち着ける効果がある」ということを突き止めています。青色の波長が「副交感神経」を刺激することにより、心拍数や体温を下げ、呼吸もゆっくりと深くなるためと考えられます。
町中の街頭を青色にしたら犯罪率が下がった、という話題もありましたし、一定の効果を上げてることは間違いありません。食べ物を青く着色したものに対して食欲が減退するのも有名な話です。

このことから、気を静める・落ち着かせる働きを持つ色として、「癒やしの色」と呼ばれているのでしょう。

青色に惹かれる理由

青色が良いと思える心理、と検索すると「癒やしを求めている」と書かれてあり首をひねることがあります。そんなにいっつも癒やされたいと思ってないぞ? と。
なので、自分の精神状態が荒んでいるから、というよりも、「異世界を象徴するもの」というイメージから好ましく思っていることのほうが多い気がします。

異世界、といっても転生モノのようなわけではなく、「晴れやかな空」から日常の雑然さを取り除きたいときもあるし、「透明度の高い海」から旅行したい気分を高めたりすることもあります。言い換えれば確かに現実逃避をして癒やしを求めているとも言えるのかもしれませんが(笑)。
青色のレジンやガラス作品は常に上位に食い込むアイテムでもあります。光に透かした時に現れる青い影は、とても幻想的で美しいものです。
幻想さや透けるほどの色合いというのはそれだけで綺麗に思われますが、異世界の象徴にプラスして、鎮静効果を加えたものはどこか「アンニュイ」にも映るでしょう。
遠い国や遠い世界に思いを馳せやすく、そしてちょっとした仄暗いイメージも持ちやすいが故に、惹かれることも多いのかもしれません。
(そういえば「死」を意識した人の処理能力が上がる、なんて研究結果もありましたね。集中力が高まるのも、単に神経が落ち着くからではなく、ちょっとした淡い「死」のイメージがあるからかも?)

みなさんはどんな青が好きですか?

こちらの【松虫草で弔って】では、本編が進むと《何か青いもの》という表現が出てきます。
みなさんが好むものとは違う青かもしれませんが、こちらも楽しんでいただければ嬉しいです!